はずれの一歩

近畿大学通信教育部図書館司書コースを2021年4月から受講し始めました

図書・図書館史 合格レポート(2021年4月入学)

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※ 丸写しや、類似したレポートや試験回答は不合格になる可能性があります。 あくまで参考に、自分の言葉でレポートや試験回答を書いて下さい。

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の順で書いていきます。

※改行をすると間があくようになってしまいました 見づらくてすみません

【設題】

日本または西洋のどちらかを選び、それぞれの時代(古代、中世、近世、近代以降)の図書館発展の特徴をコンパクトに要約し、かつ私見(400字程度のまとめ)を述べてください。

【回答例】

1.はじめに

本レポートでは、日本の図書発展の特徴と歴史について古代、中世、近世、近代以降と分けて以下に記述し、現在の図書館のあり方について考えていく。

2.日本図書館の発展について

①古代

図書や漢字が日本に広まったのは4〜5世紀ごろより始まった中国との外交によるものである。紙や墨、宗教や儒教などの伝来によって漢籍や仏典が日本にもたらされた。それらを保管するために使用されたのが経蔵や文庫という現在の図書館のようなものである。

645年の大化の改新律令国家が広がると、全ての実務に文書が必要となった。その際に各地へ命令・報告を紙や木簡で行う必要があった。そのため、文書の伝達システムも構築された。図書寮という施設が設置された。『古事記』や『風土記』のような国史記録物が多く生み出されるとそれらの収集・保管のために図書寮という施設が作り出された。

その後、日本独自の平仮名が成立し『伊勢物語』や『枕草子』『源氏物語』など数多くの文学が発達、誕生した。

②中世

貴族に代わって武士が台頭し、封建制度が確立された。すると、中央の文化が地方へと拡散する文学の庶民性が強くなった。また、平安時代のように有力な武士が文庫を持つようになった。具体例としては、北条実時の『金沢文庫』や、日本最古の学校といわれる『足利学校』の文庫が有名である。これらには利用規約が設けられたり、所蔵印が押されるなど現代の図書館に近い形で使用されていたことがわかる。しかし、限られた一部の人のみが使用を許されていたためまだ個人のものという印象が強いものである。

技術面では製版と呼ばれる一枚の板を原盤として墨を塗り、上から用紙を合わせて印刷する版画に近い技術が登場した。西洋と朝鮮経由で活字による印刷技術も伝来したが、江戸初期までに途絶えたことにより、近代の活字印刷に変わるまで整版による印刷が続いた。

③近世

徳川家康が天下統一をしたことで270年にもわたる天下泰平の世が訪れた。今までは貴族や僧侶、有力武士のものであった文化は、政府の学芸奨励の手伝いもあり、下層階級まで伝搬した。町人や庶民にも貨幣経済からの必要として学問が盛んになった。学問が行き渡ったことで識字率が上がり、読書をする人がが増え、本屋や貸本屋が出始めた。各身分階級を対象とした文庫が生まれ、将軍や幕府などに利用されることが目的として作られた『紅葉山文庫』や大名による『蓬左文庫』、教育関係の文庫である『昌平坂学問所』、庶民の文庫である『浅草文庫』などが現れた。全国の藩は子弟教育に力を入れ、多くの藩校が作られたが、それらの施設には文庫も作られた。さらに郷校や庶民教育の施設として寺子屋も普及した。

④近代以降

明治維新以降、福沢諭吉が紹介した西洋の図書館事情から始まり全ての人々が本を閲覧できる図書館の設立が進ん市川清流や田中不二麻呂などの先覚者たちによって、公立図書館の必要性を訴える啓蒙活動も行われたことにより、明治5年に「書籍館」が設立された。その後、「東京書籍館」に吸収され「東京図書館」、「帝国図書館」と名称を変更し、昭和22年に「国立図書館」となり、昭和24年「国立国会図書館」となった。

戦後、日本の教育民主化政策を推進するために来日したGHQは当時有料であった図書館への批判や差別の禁止などの名言化、相互貸借などを提言し1950年には「図書館法」が制定された。司書資格や図書館奉仕など新しい図書館のあり方が示されたものであった。 

3.おわりに

今回のレポートを作成するにあたって、古代から現代に向かっての図書館の変遷や役割を学習した。それによって図書館のあり方は、その時代の文化などによって変化してきていることが分かった。

近年はインターネットやスマートフォンの普及によって無形の情報も図書館が扱う資料となってきた。また、2020年2021年は新型コロナウイルスの流行により臨時閉館や座席の削減、共用機器類の利用停止などを余儀なくされた図書館も多い。コロナ禍で本来図書館に出向き借りることが当たり前だったが自宅で本を貸出し自宅にいながら返却することのできる電子図書館サービスが増えてきている。電子図書館の需要は今後一層高まっていくと考えられる。このように時代に合った対応をするためにも、過去を振り返り図書館歴史や道のりを学ぶことは、今後の図書館のあり方を模索する上で非常に重要だと感じた。古くから受け継がれてきた知の拠点を意識し図書館業務に従事しなければならないと感じた。また、これまでの図書館は主に物理的資料を提供する場としての役割を果たしていたがこれからはあらゆる情報を取り入れることのできる場として社会に合わせ柔軟な取り組みが求められるだろう。

【参考文献】

公益社団法人日本図書館協会 2013年『図書館用語集四訂版』船舶印刷株式会社


図書館用語集4訂版 [ 日本図書館協会 ]