はずれの一歩

近畿大学通信教育部図書館司書コースを2021年4月から受講し始めました

図書館情報資源概論 合格レポート(2021年4月入学)

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※ 丸写しや、類似したレポートや試験回答は不合格になる可能性があります。 あくまで参考に、自分の言葉でレポートや試験回答を書いて下さい。

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の順で書いていきます。

【設題】

公共図書館が地域資料を収集するのはなぜかを考え、地域資料の特性と今日の課題としての地域資料のデジタルアーカイブ化について論じなさい。

【回答例】

1.はじめに
地域資料とは、郷土や郷土人に関わる資料やその地域に関して記述されている資料、地域行政資料を含むものです。○○県では県市町村史誌、○○県の地域雑誌路線価図などがあり、○○県図書館が貯蔵する資料群はデジタル化し提供されています。

2.地域資料を収集する根拠
公共図書館が地域資料を収集する根拠は図書館法第3条第1項です。「郷土資料、地方行政資料、美術品、レコード及びフィルムの収集にも十分留意して、図書、記録、視聴覚教育の資料その他必要な資料を収集し、一般公衆の利用に供すること」とあります。ここから分かるように公共図書館はその他地域に関わる資料を収集することが重要な任務とされています。近代図書館が設置母体であるコミュニティの記憶装置として機能されてきたことに由来しており、公共図書館の原点は地域に根ざしたものだということがわかります。
郷土資料の郷土とは、「生まれ育った土地や故郷であること」を強調しています。近年、地域社会ともいわれるように他者との結びつきによってつくられるコミュニティを重要視しています。現代の図書館には、地域住民の抱える課題を解決するための資料や情報提供をする課題解決のための役に立つ情報や資料の収集、提供などの支援の役割も求められています。そのため、その地域の情報収集や資料が重要とされているのです。

3.地域資料の特性
地域資料といっても図書、雑誌、地図、パンフレットのような印刷資料や美術品、文章、博物資料などの現物資料、写真、フィルム、マイクロ資料、光媒体に記録された資料など様々な形があります。そのため、地域に関する資料のパンフレットを作成しようと思っても地図・地形の写真や資料、美術品の資料など様々な資料を集める必要があります。また、雑誌や新聞記事などの資料の中の一部分のみが地域に関する情報であることもあり刊
行された地域資料の収集とは違う対処が必要となります。
さらに、地域資料の多くは非市販資料であるため市販資料のように出版情報がまとまって集めることができません。そのため、資料を的確に捉え行動が取れる体制が必要となってきます。
レファレンスサービスなどの場合、市販の資料に頼れる場合が少ないため地域資料に関する目録や索引などのレファレンスツールを自館で作成する必要があります。

4.地域資料のデジタルアーカイブ化の方向性
デジタルアーカイブとは、原資料を所蔵している所蔵館や提供元が有形・無形の文化的資源をデジタル化し、ネットワーク上に保存した保管庫のことです。
デジタルアーカイブを構築することで公共図書館においては、歴史的資料の提供サービスや失われつつある地域の知的遺産の確保、アナログ情報へのアクセスの援助などの効果を得ることができます。資料原本の劣化防止・保安や稀少な情報のバックアップの作成、webでの資料公開、データベース化による資料検索ができるようになるため地域資料のデジタル化は重要課題とされています。
地域資料のデジタル化は○○県立図書館や○○県立図書館、○○県立図書館などの図書館で行われており、どの図書館も図書館公式サイトにて地域情報を提供する目的として公開しています。内容としては、図書館の所蔵する近世及び近代初期の貴重和本や地域に関連する古文書・古地図、郷土資料データベース、民話、郷土ゆかりの人物による著作などでそれぞれ特色のあるサービスを展開しています。
地域資料のデジタルアーカイブ化をすることにより、図書館に来館することが難しい利用者に対しても情報提供ができるようになるだけでなく、レファレンスサービスや課題解決のための支援の充実にもつなげることができます。しかし、デジタルアーカイブの構築にはより良いデジタル化をするために必要となる撮影機材などを準備する費用や人材が必要となってきます。
例えば私の住む地域には、○○という郷土資料館があり、○○に所在する貝塚や古窯などからの出土遺物や、古文書、民具などの資料が収集・保管されています。このように、これらの地域資料は公共図書館だけが収集や保存をしてきたわけではなく、地域の美術館や博物館等にも貴重な資料が保存されています。公共図書館は他の地域公共施設と連携協力し、より多くの地域資料の保存に努める必要があります。
ここまでに出てきた地域資料は公共図書館だけが収集、保管してきたわけではなく博物館や美術館でも収集、保管されていると思います。したがって、公共図書館と博物館や美術館が連携協力しまだ収集されていない地域資料の情報を共有し完全な地域資料を目指す必要があるでしょう。

【参考文献】

・図書館に関する情報ポータル https://current.ndl.go.jp/node/17889
・『デジタルアーカイブの最前線』時実象一著 株式会社講談社発行

・『改正図書館情報資源概論』岸田和明著 樹村房